初投稿は好きなバンドの曲感想にしようかと考えていたのですが、こだわらずにやっていきます。映画感想記事はシリーズ化してなるべく続けて行きたいです。
『ジョン・ウィック』
2014年公開のアメリカ映画。ジャンルはアクション。
主演はマトリックス等でおなじみキアヌ・リーヴス。制作総指揮もしているらしい。
※以下ネタバレ有。
”お前のやったことを怒ってはいない 問題は相手だ”
元凄腕の暗殺者が、引退するきっかけでもあった最愛の奥さんの最後のプレゼントである犬を殺されて、その復讐をするという物語。たまたま前職場のマフィアがたまたま元暗殺者と知らずに襲っちゃったのがお互い運の尽きというか宿命というべきか。
元最強の〇〇、そして復讐劇とありがちなキーワード、奥さんが亡くなるのと犬と出会いじゃれあう描写も早々に始まる復讐と、余計な要素はほとんどないのでアクション映画の中でもかなりアクション寄り、戦闘を魅せる、という作品。よくある体を鍛えなおしたり、調査、準備を入念にする等のシーンすらない。悪・即・斬*1です。
とにかくかっこいいのよ。
怒りに任せて最短距離で獲物に突っ込み邪魔する奴は皆殺し。
ただしやり方はしっかり体に染みついてます。アクションを魅せるとは書いたが「そんなの実際しないでしょ」というエンタメっぽい華々しくわざとらしいものはない。派手な爆発や炎上もない。腹を撃って無力化、頭でトドメ。腹を撃ってから頭、隠れてたら足を撃ってから頭、近接で腕を極めて無力化しつつ優先度の高くなった離れた敵を撃ってから手元の頭を撃ってトドメ、とにかく徹底してます。これがプロの仕事か。
一方で昔とは変わったところもあります。彼はもう光の当たる表の世界の暖かさや大切は充分に知っているのです。なのに再び手を血に染めて復讐せざるを得なかった悲しい男のこの佇まいよ。細いネクタイに黒のスーツ、汗、血、雨に濡れて瞳に垂れてくる前髪、渋いです。
私はこのくたびれても頑張ってるオッサンに弱いのです。
いくら強くても大人数のマフィア相手ではケガもするしピンチにもなります。直接共闘はしませんがそこで助けてくれる昔の馴染みたちや、敵に回った同業者も程よく個性的で脇役としていい味出してましたね。ラストは「来いよベネット!銃なんか捨ててかかって来い!」*2とお約束のように殴り合う。
成し遂げたが満身創痍でこのまま立たなければ死ぬ、それでもいいかという所で最期に奥さんとの幸せな頃の動画を見たところ「家に帰りましょう」という言葉で奮起、動物病院に転がり込んで治療、そこにいた犬を盗んで夜の街へ消えていく。犬が殺処分前というのは劇中だとハッキリしないのでそれだけは少しひっかかりますが、生きる意味を無くし、再び裏の世界に浸かってしまいながら、必要とされなくなった悲しい命と自分を重ねて、それでも生きる。再び歩き出す後ろ姿、いいじゃないですか。
エンタメとしてのアクションを求めて観た場合物足りない人もいるかもしれませんが、かなり評価できる見ごたえのある作品でした。続編もあるのでまた感想を書きたいと思います。
ではまた。
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