他のジャンル記事を抑えて早くも映画感想記事2。
今回は『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』。
2019年公開のフランス映画。ジャンルはアクションコメディ。
北条司による人気漫画「シティハンター」を原作とした実写化映画。アニメも有名なのでご存じの方も多いでしょう。
少し昔の作品ですが2019年に、しかもフランスで制作ということでいかに時代と国を超えて人気のタイトルであるかということはお判りいただけるかと思います。詳しい経緯は割愛。*1
漫画やアニメの実写化というのは非常に賛否(主に否)を起こしてきた作品が多いのは説明の必要がないほどでしょう。しかし本作は好意的な評価が多い。投稿時現在でアマゾンレビュー1500件以上あって☆4.5/5。
原作リスペクトがちゃんと感じられる!
流石にハンマーで頭を叩くツッコミ(追っかけはする)や原作の代名詞的現象”もっこり”(セリフのみ)といった漫画、アニメ的な表現は抑えられていますが、アニメで使われた曲や効果音、エンディングにGet Wildが使われたりとアニメの視聴者は「わかってるな」とニヤリとできます。
なにより監督・主演のフィリップ・ラショーの獠、エロディ・フォンタンの香の掛け合い、動きの演技が漫画、アニメからでてきたように雰囲気がまんま。これは凄い。
物語もフランスらしく香水を巡ってのドタバタ劇、ガンアクションにギャグにエロ、シリアスパートに納得のオチをつけて本当によくこれだけ綺麗にまとめたなと。原作を知らずとも楽しめると思います。
一方で気になった点も少し。
獠、香ともにちょっと老けてるようにも見える。特に香は20代前半というイメージがあるので、細すぎる体型と相まってやつれた感じに見えるシーンもあった。2人の演技力がいいだけに、そこはそのまま5年8年若ければより最高だったのではと思わされてしまった。
エロはエロでも下品な方とギャグ。依頼人が美人なネーチャンというお馴染みの設定を本作でも採用しているものの、登場したのはラスト近くでほとんど出番なし。獠とのからみも僅かで、軽いセクハラアタックをするといういつものくだりはない。一方でお婆ちゃんが発情して胸をさらけ出すシーンやオッサンが半裸でポールダンスするシーンはじっくり映る。獠は香水のせいでずっとオッサンにムラムラしてて、オイシイ思いをするシーンはほぼない。よく映る女性があんまり可愛くない。道化役が香水の力で車を押させたチョイ役の3人組くらいしか美人じゃなかった。イイモノみれねーかなという期待は裏切られます。
ただこのあたりの笑いのセンスやエロ許容値は国柄やコンプラなどとにらめっこして調整したと思われるのでマイナスではないです。
あとは香が平気で人を撃ちまくったり(原作では敵を撃って殺す表現はストーリー的な意味からも避けらていた)、説明もなく香が仇のイレズミ情報知ってる扱いになってたり、散々ボロボロで最後に爆弾押し付けられて死んでいったやたらかわいそうな下っ端等ちょっと引っかかるところはある。
しかし前半の通り演技も演出もストーリー展開もどこも文句なし。笑えたし、感心したし、満足の作品でした。日本の役者、制作でもこれ以上の完成度ではできなかったと思います。
ではまた。
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