ちょっと間が空きました。
いい加減植物の記事を書きたいのですが映画感想ですらなくアニメへ。
しかもB級!大作でも名作でもありません。
今回は『クオリディア・コード』。
2016年A-1 Pictures制作のワンクールアニメです。
大元はプロジェクト・クオリディアという3人の人気ライトノベル作家*1がユニットとして同じ世界を舞台に小説、アニメ、コミカライズ展開するというメディアミックス作品だそうです。*2
ジャンルはティーンバトルディストピア物と言えばいいんでしょうか。
「地球を荒廃させた侵略者から人類を守れるのは能力に目覚めた少年少女だけ」
というゴリゴリにありがちな感じなんですけど、流石人気ライトノベル作家集団、
中盤に一ひねりあっておっ、と思わせてくれます。だから水着回を早々に消化したのね
演技も特に女性陣が上手くてシリアスパートをしっかり支えてます。
OP、EDもLiSAとClariSが歌い、作曲作詞も注釈のwikiから見てもらいたいのですが本当に豪華メンバーです。
ただ残念ながらB級なんです・・・*3
問題は大きく分けると2つ。
-
作画が怪しい
- 世界観の説明が雑
1.怪しいなんて優しく書きましたがとにかく作画が崩れる。顔がふにゃふにゃにならないキャラがいない。そういう回が多いとかじゃなくて1話から最後までヤバイ。
更に納期に間に合わなかったのか予算が足りなかったのか知りませんが素人目に見ても枚数が少ない。多く動かしたい場面に回すためとか、そもそも動かなくてもいい工夫がされているのはアニメファンや詳しい方ならご存じだと思いますが、そういう次元じゃない。本作は空中戦が多いので動かないのが余計に目立つ。
最たる例は最終回の戦闘という明らかに重要なシーンで、ボスに攻撃されて吹っ飛ぶ絵が適当な背景を映して誤魔化してる。不自然すぎていろいろ間に合わなかったことを想起させられます。
2.もっと知りたかったら小説や漫画を読んで補完してね!それがメディアミックス作品の醍醐味!みたいなノリがあるのは分かります。しかしアニメ単体で全部理解させろとまでいかずとも、もう少し丁寧な下地作りが欲しかったです。
空を飛んで魔法を放つ、銃を撃つ、剣の一振りで大量殲滅というのはアニメ漫画をライトに見た場合は同じ非日常なんですが、実はジャンルが全然違います。*4
そこに都市管理、ランキング、世界、アンノウン、侵入不可領域など詰め込みまくっていっぺんに出されてとっ散らかってしまってる印象があります。(実は言葉だけでどれも大した意味がないのですがそう分かるのは後)
シリアスな場面、特に後半の男キャラクターの軽薄な掛け合い等はかっこよく見せたいという意図があったのでしょうが、このユルユルな作画と浮足立った設定描写のせいでただの痛々しい中二病男子のギャグシーンにしか見えなかったり、展開の浅さに気付かされてしまうのが残念です。仕掛け自体はゼーガペイン等探せばいくつもあるものですからね。このあたりの土台がしっかりしていれば、もっと引き込ませるものになったのではないかと思います。
一言でまとめると、
なんか惜しいけど上手くいってもそんなに名作にはならないんだろうな
という駄作という意味ではなく味わいのあるB級というある意味おいしい位置の作品です。
・・・Bの割に何も考えずに観られるタイプでないのでやっぱりまずいかも。
ではまた。
────────────────────────────────────────────