ハオルチアの洞

映画、アニメ等の感想、多肉植物紹介、備忘録とか

Web漫画のあれこれ

次回アニメ感想の前置き的な記事。

同一記事内にするには長かったので分けます。人物は敬称略。

 

今でこそWebマンガは一般的というか、気軽にツイッターに載せたり企業、出版社そのものが独自のウェブサイトを設けて無料有料のサービスをしているイメージになると思います。

 

 

しかし古のインターネッツ*1*2では回線速度が今では考えられないほど遅くて料金も高額だったので画像なんて容量の大きいデータはコンテンツにできないしする意味がなかったんですね。そして段々とネットが発達してくるとぽつぽつと企業が参入します。詳しくはこちら*3をどうぞ。

 

企業のウェブ漫画サービス黎明期とほぼ同じ頃、個人で投稿サイトや自分のホームページに漫画をアップロードして公開する動きもありました。投稿サイトで代表的なところはやはり「新都社*4でしょう。

 

意外と知られていないかもしれませんがなんと『背すじをピン!と〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』『ダンゲロス』*5横田卓馬や、『東京喰種トーキョーグール』の石田スイ、『ワンパンマン』のONE、『小林さんちのメイドラゴン』のクール教信者等も新都社に投稿していました。

 

anond.hatelabo.jp

 

 個人サイトで単行本化やアニメ化されたこの時期の有名どころだと『ねぎ姉さん*6、『琴浦さん*7、『堀さんと宮村くん』*8、『WORKING!!*9

等でしょうか。

 

当時はコアな漫画ファンや知る人ぞ知るといった具合で、「ネットでマンガを読む」という文化、習慣の先駆けは企業のウェブサービスより個人投稿の方が影響が大きかったと感じています。この頃(~2010年)の企業勢の有名作品はと聞かれても私は答えられませんし、現在の有名企業サイト*10はほとんどが2012年以降のオープンです。こういったサイトや、その運営企業の連載誌に個人で投稿していた作家がデビューするケースも多くある等、客観的に見ても全くの間違いということはないと思います。*11

 

ウェブマンガがサブカルチャーのメインストリームを担うほどになる。原稿を出版社に持ち込んだり、賞を獲ってデビューせず、逆にSNSでバズったからオファーされ商業化、実物の本として刷られずにプロデビューをするというのが一般的になったのも、こうした歴史を経ているところを見ると面白いですよね。

 

 

余談ですが関係してこの辺りのニコニコ動画等の動画投稿サイトや某巨大掲示板とWeb漫画やミームといった、インターネットとサブカルの歴史、親和性の話は検索したら沢山書いているウェブページや本が出たりしているので興味ある方は探してみるとよいでしょう。あまり読んだことも学術レベルの話もできないので具体的なリンクや本の紹介は控えさせていただきます。

 

ただ識者ぶった人間が適当な事をそれっぽく書いているものも多いジャンルだと注意することをお勧めします。というのもファッションや髪型などの「現実”リアル”」の現象*12となりにくいからです。

オタク、”サブ”カルチャーはマイノリティに端を発する、つまるところ個人の感情の集合ですから、ちゃんと客観視できず当時の自分周りの小さなコミュニティの思い出話を大きくしがちなのは当然というかある程度仕方のない事だと思います。情報の取捨選択にはご注意を。

 

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