ハオルチアの洞

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アニメ感想 #2 『ホリミヤ』

次こそ植物記事。

さて今回は初めての直近の作品、『ホリミヤ』(2021)。高校生の甘酸っぱい青春物、CloverWorks制作のワンクールアニメです。

 

youtu.be

 

 

元々は『堀さんと宮村くん』というHEROによるWeb漫画。*1単行本した同名漫画があって、OVAもあります。それとは別に作画に萩原ダイスケを迎えてリメイクした漫画『ホリミヤ』があって、それを原作としたアニメになります。ややこしい・・・*2

ということでこのアニメは原作者ではなく萩原ダイスケの方の絵柄に寄っています。*3

 

 前回の記事を読んでいただいた方はお気づきでしょうか。何を隠そうホリミヤの感想のために前回の記事を書きましたのでぜひ未読の方は読んでいただきたい。ちょっとした昔話を備忘として書きました。

 

原作Web漫画『堀さんと宮村くん』は2007年から個人サイトで公開されていて、ウェブマンガの歴史的作品(と個人的には思ってる)の一つなのです。萩原版の連載がこのアニメ放送中に終わるまで9年以上続いていたのも、その最終回に合わせたとはいえテレビアニメ化を13年越しの2021年にされるということも作品に力がある事の証明と言えるでしょう。残念ながら知名度はあまりないようですが・・・

 

私も2009年か2010年頃からHERO版を読んでいた人間の一人です。両方の単行本は読んでいませんが凄く好きな作品です。かなり期待して視聴しました。

 

ありがとうアニメ化

 

これでいいんだよこれで!というピッタリ具合。萩原版は未読なのに原作の雰囲気を感じる。ということは萩原版もいい漫画なんだなぁとわかるくらいいい空気感。

原作が一本ストーリーがあるというより小さなエピソードの寄せ集めみたいな感じなうえ膨大な量があるので13回にまとめて構成するのに相当気を使ったと思います。

期待を超えた方がいい作品もあるでしょうが、過不足なく治まることの方がいい作品もあると思うんですよね。変に足したり引いたりしない職人みたいな。

 

本作は学校生活のキラキラ感、ギャグ、行事イベント、くっつく前と後のイチャイチャ、人間関係のごちゃごちゃ等々のお約束的な演出が・・・

 

なんと全部ありません

 

もちろん主人公とヒロインの恋愛描写が軸なんですが、恋愛というより心の機微みたいな話がメイン。自分は自分以外の人間とどういう風に関わるのか、最初はお互い分からない人となりを知る事、知って変わる事ってどういうことなんだろうという部分がテーマだと私は思います。

表に出したり変えたくない自分をそのまま理解される事の救い、少しは歩み寄ってみる余裕ができたり、変わってみる決心がついたり、受け止め方が変わったりって難しいんだけど些細な差でもあるんだなと思わせてくれます。

 

この繊細な日常のやり取りを作画と演出も支えてくれてます。OP、EDもいいですね。

 

 

かなり高評価なんですが一応気になるかもしれない点を挙げると、出てくるキャラみんないい人すぎて、ちょっと綺麗事すぎると感じる人がいるかもしれません。

また現実感と言うと話や舞台がリアル寄りなのに髪色が赤青緑紫ピンクと結構大胆な点。これはHERO版からずっとそうです。(シンプルな絵なのでキャラ付けと分かりやすさのためと思われます)

 

あとはこのエピソードがアニメで観たかったのになかった!という声がでるかもしれない。うれしい悲鳴ですね。*4

 

原作は本当にまだまだ面白い話がいっぱいで、一つ一つも短いので読み始めたら止まらなくて唸ったり悶えたりニヤニヤすること間違いなしです。作者サイトや単行本で読んで欲しい。

 

ではまた。

 

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*1:読解アヘン

*2:堀さんと宮村くん - Wikipedia

*3:個人的にはHERO版の方がキャラがかわいいと思う

*4:私は乱暴に扱われたり暴力を 振るって欲しい堀さんが観れたので満足です