ハオルチアの洞

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映画感想 #5 『TIME/タイム』(原題:In Time)

前回投稿から時間が開いてしまいました。記念すべき本ブログ10本目の記事です。

今回は2011年公開のアメリカ映画『TIME/タイム』。

アマゾンビデオの方では原題の『In Time』となっています。まずは恒例の予告動画どどうぞ。

 

 

youtu.be

 

めっちゃ面白そう!

分かります。分かります。SFディストピア物、いいですよね。

通貨は自分の寿命、貧乏人は時間という命を文字通り富裕層に奪われて消費される世界。

 

格差が広がる現代社会への批判と警鐘、主人公が世界を相手にどう戦うのか。サスペンスとして良質な舞台設定。名作待ったなし!

 

・・・だと良かったのですが。

 

※以下ネタバレ注意

 

 

とにかくガバガバ設定

時間のやり取りは腕に触れると行えます。遺伝子操作で老化を止め、時間を得れば永遠に生きられる科学力です。もちろんセキュリティもばっちりガバガバ。

腕さえつかめば同意なしに無制限で死ぬまで相手にあげたり奪ったりできます。いくら持ってるか腕さえ見れば一目瞭然。犯罪を起こしてくれと言わんばかりの状態。

 

毎日寿命24時間未満で生活していた主人公はひょんなことから金持ちから100年をもらう。それを元手にその日暮らしのスラムを脱出し、搾取されてきた世界に復讐するために手始めに富裕層地区で寿命を賭けるポーカーに挑み大勝します。すると警察みたいな組織にどうせ最初の時間は盗んだんだろと難癖付けらて問答無用で勝った分まで全額ボッシュート。どこに何時間あるのかわかるモニターがあるのに。オーバーテクノロジーの世界なのに。出入金の記録、同意か強盗かすら確認できない。

 

仕方なく金持ちの娘を人質としてさらいながら逃げる。すると退屈していた娘もこの狂った世界をぶっ壊すことに同調してくれて、二人で銀行強盗しまくったり娘の親から超大金を盗み出し貧民街で配布、これからも世界に抗うために強盗するぜエンド。

 

え?これで終わり?材料はいいのにどうしてこうなったという感じです。

 

寿命をくれた人がなぜ搾取の構造を教えてくれたのか。(言われなくても分かりそうだが)

一方的に搾取するといっても度が過ぎる。(物価変動や税率が告知なく朝令暮改など)

そんな権力があるのに下剋上可能な状況は放置されている。

上流階級の人間が長寿が必要な専門性の高いことをしているかと言えば現代のような株為替のような仕事の描写しかなく豪奢な暮らしをしているだけ。

低所得層が増えすぎては困るほど切迫した世界に見えない。

主人公が解決のためにすることがただ盗んで配るだけでなんの根本的な解決にならない。

たった二人の無計画強盗が何度も上手くいきすぎ。

・・・などとにかく突っ込みどころが多い。

 

わざと反乱を起こせるような仕組みに誰かがしていたとか裏設定があるのかもしれませんがそう主張するには無理があるレベルです。

とにかく盗んで市場破壊→革命にしても中途半端な規模の所で終わる。

 

良いところは25歳で成長が止まる世界なので登場するのが美男美女ばかりという点でしょうか。

特にヒロインの女優がエッチかわいいところくらい。

 

まとめると良質な土台から期待を裏切られるしょうもない展開とオチ。

ヒロインのアマンダ・サイフリッドが目当ての人以外はおすすめできません。

 

ではまた。